【大阪】セミファイナル
こんにちは隹ナムです。
11月24日に開催された大阪会場を考察していこうと思います。
今回はセミファイナルについて考察していきます。
幕張のファイナル、仙台のセミファイナルに続き3度目の対戦カード。3戦目にイザナミが控えたこの戦い。イザナミが後攻ピックになるであろうアラブルズは何としても2連勝で終わらせたい。一方、3戦目イザナミで先攻が取れる壁ドンズは最悪1:1に持ち込めばいい有利な状況だ。
1試合目 翠緑の生命体
先攻ピックの壁ドンズはフェルメールをピックし、アラブルズの10手編成の精度を下げ、貫通2反射2の12手編成を組む。東京のセミファイナルで見せた編成で、想定手数はアラブルズより2手多いが、リスクはこちらの方が少ない。
12手編成では①1手目のルートが非常に狭い事②3手目の一筆書きが難しい事の2つのリスクで済む。しかもこの二つは偶発的な要素が絡まず、練習で精度をあげることが可能である。
一方、アラブルズは仙台ベスト8で最速タイムを出した10手編成をピック。フィニッシャーのユミルはフェルメールと比べると、若干火力に不安が残るが、強気の編成をしていく。
10手編成では、①1手目で初期配置がズレる事。②ズレた場所から3手目の一筆書きをする事。③バトル5で不安定な中ボス処理をする事の3つがリスクとなり、ズレやイレバンなどが絡み、速さはあるのだが不安定な立ち回りとなる。
勢いのあるアラブルズに対して、壁ドンズは守りに入ったのか?というとそうでもないと考えている。そもそも壁ドンズのピック12キャラの中に10手編成で中ボス要員のブラフマーの代わりのキャラ(仙台のアラブルズで言えばアップル、今回の獣神亭で言えばワイアット・アープなど亜人の中ボスを倒せるキャラ)を用意していたのかという疑問もある。12手に自信のある壁ドンズが10手用のキャラで貴重な枠を埋めるかと考えると少し引っかかる。
3戦目が絶対有利な状況なら、思い切って10手で勝負してもいいとも思うのだが、おそらくどう転んでも12手編成で勝負するつもりだったのではないだろうか。
勝負は1手目、壁ドンズLeadべーこん選手がカーマを1体残してしまう。この貫通での4体処理は本当に細いルートを綺麗に通さないといけない難しい1手目となっている。ここまで安定したショットを見せていたべーこん選手がまさかのミスショットとなった。2手目でカーマを倒しつつ騎士の頭上を狙ったショットを打つが残念ながら入れなかった。ここでリカバリーしたかったガウェインだが、バトル1で4手使ってしまう。5手目のホトリで流れを戻したい壁ドンズだったが、わずかにスピードが足りず、バトル2を突破することが出来ない。バトル3でフェルメールの配置を決めるなど、逆転に向け進む壁ドンズだったが流れに乗ったアラブルズに追いつくことが出来ない。
先行するアラブルズは落ち着いて完全手を進めていく。難所の3手目をしっかり時間をかけて見極め、バトル3でも綺麗に配置にハマっていく。不安定なバトル5の中ボス処理は打ち出し位置がやや下。イレギュラーな倒し方ではあるが、弾かれてしまう事も多い難しいショットをAnchorぺぺ選手が見事に決める。
そしてラストのユミル。火力にやや不安は残るキャラクターだが、打ち出し位置は完璧。1手でボスを撃破。手元の計測だがおそらく仙台を上回る最速タイムを出し勢いに乗るアラブルズ。王者打倒に向け大きな1勝を掴んだ。
※8手目、打ち出し位置がやや下で難しいショット。乗っているアラブルズは運も味方し、しっかり中ボスを倒す。
2試合目 冥黒の女王
1試合目を完全手で勝利し勢いに乗るアラブルズ。連勝でセミファイナル突破を決めたい。対するは、ここまで冥黒負け無し。TAでも圧倒的な速さを見せた今池壁ドンズα。
これまでの冥黒で壁ドンズは、ほぼ16手でフィニッシュしている。つまりLeadにヘイムダルを置くと、17手目で回ってくるSSはほぼ打てないと考えていい。ここでアラブルズはLeadにSSターンの短いレンブラントを置く。
壁ドンズはパーシヴァル以外TAと同じ布陣。武田信玄・弁財天で確実な中ボス処理を狙っていく。
試合は互角、3手目でアラブルズのイシュタルはダメージが足りず、壁ドンズは弁財天と信玄の2段構えだったが、まさかのイレバンで中ボスを残す。お互い1手ズレての5手目。勝負を分けたのはここだと思っている。
※5手目、いい位置からがしゃどくろを処理できたレンブラントに対し、ぷよりんを処理するパーシヴァル。
いい位置からがしゃどくろを処理できたアラブルズのレンブラント、先にがしゃどくろを処理する事で、時間のかかる回復エフェクトの発動を阻止する。一方壁ドンズはぷよりん処理を優先。撃種変化パネルで挟まりにいくことも出来たが、次の信玄の動きを考えての行動だろうか。この後、信玄が上から挟まりにいくルートをとるが、挟まれずに1手遅れてしまう。しかしそこは王者壁ドンズ、崩れることなくアラブルズのすぐ後ろを追いかける。
お互い一歩も譲らぬまま勝負は最終バトル6へ。
※ラストショット。どちらが勝ってもおかしくない展開だった。
ここまでミスらしいミスのないままハイスピードな展開を見せた両者。イシュタルのSSでフィニッシュするアラブルズに対して、早打ちで逆転勝利を狙う壁ドンズ。勝敗はほんのわずか早かったアラブルズに軍配が上がった。壁ドンズもゲージは削りきっている。タイムは出ていないがおそらくコンマ数秒の勝負だっただろう。壮絶なデッドヒートを制したアラブルズがついに王者今池壁ドンズαに黒星を付けた。タイムもTAの壁ドンズを上回り、ツアー最速をマーク。運ではなく実力で王者を下す。
憧れだった壁ドンズを倒し、勢い止まらないアラブルズが初優勝に向けファイナルへの切符を手にした。
セミファイナル第2試合 4Sleepers vs 【愛】獣神亭一門
グランプリ・ツアー通して初の対戦カード。お互いに欲しかった1勝を手にし、重圧から解放された両者。勢いこのままにファイナルへ駒を進めたいところだ。
1試合目 翠緑の生命体
先攻の獣神亭はフェルメールをフィニッシャーに貫通2反射2の編成、珍しいのは今回初登場のワイアット・アープだ。ワープ対応はないが、亜人キラーLを持ち中ボスへの火力はブラフマーを凌ぐほど絶大、中ボスを残さない為のキャラとしてAnchorに配置。そしてフィニッシャーのフェルメールを2ndに置く10手編成。ワープ未対応のキャラを2体使うかなり攻めた編成を披露。ミスが出ると立て直し困難な編成だが獣神亭は勝負に出た。
後攻4Sleepersは東京のTA以来の翠緑の生命体。編成も東京と同じピックで10手編成。
試合はバトル1で動く。難しい貫通での1手目をLeadウィズ。選手が成功。続く騎士の処理もしっかりと決める。バトル2も1手で抜け序盤の難所を突破。賭けに成功しこれぞ強豪の戦いを披露する。各バトル突破タイムも、第1試合で見せたアラブルズの以上のタイムをマークしていく。
一方、4Sleepersは2手目で騎士の処理に失敗する。実は東京のTAでもここでミスが出ている。ここで崩れるかと思ったが、今回の4Sleppersは冷静だった。相手は非常にシビアな編成なので1手で状況が逆転する。それまでにチャンスを作ろうとチームでコミュニケーションをとってバトルを進めていく。バトル3で配置を決め、想定の順番に戻した4Sleepersは14手フィニッシュに向けて虎視眈々と獣神亭を追う。
リードしている獣神亭だが、ついにバトル4でミスが出る。シュリンガーラで一筆書きする場面。右下を経由して4体処理をする難しいルートをとる。これが失敗しカーマが1体残ってしまう。仙台のベスト8ではV字のルートをとっていた獣神亭だが、配置したワイアット・アープに触れることを避けたようだ。
※アラブルズがとるN字ルート(青線)では配置したワイアット・アープを触ってしまう。難しいショットだが、赤ルートを選択した獣神亭。
このバトル4がこの勝負、いやセミファイナルの勝敗を分けたと思っている。
綱渡りの編成をした獣神亭はここから突破に時間がかかってしまう。編成上しょうがない、12手目で中ボスが倒せていればまだ優勢だったが、ワープ運がなく14手目のフェルメールを万全な状態で打てなかった。攻めの編成をした以上仕方がない、問題は7手目を打ったあーぼー選手の状態だ。カーマが残った瞬間、天を仰ぎ頭を抱えてしまう。それまで完璧な流れだっただけに非常に痛い1手ではあった。しかし、勝敗を分けたのは単にミスが出たからではない。ここからあーぼー選手の気持ちが持ち直せていない。頭の中が真っ白といった印象だ。ご本人と話をしたわけではないので映像越しの印象でしかないのだが、恐らくこのミスをセミファイナル最後まで引きずっている。
一方、同じチームリーダーにミスが出た4Sleepersはいたって冷静。順調にプランを立て直していく。バトル3で逆転への配置は決めたものの、バトル4の毛利元就が難しい位置での打ち出しとなる。ここで取りこぼしてウィンドに吸われると逆転は難しい。
※てらきち選手のスーパーショットで逆転の糸を大きく手繰り寄せた。
この難しい場面をてらきち選手が見事なルートで切り抜ける。その後も難しいカーマ3体処理をチームでルートを確認し合いながら突破。バトル6角度がない中、リーダーくま選手がユミルでしっかりワンパンを決め大逆転勝利をものにした。
2試合目 冥黒の女王
1戦目の大逆転で勢いに乗る4Sleepers。イーブンに戻したい獣神亭だったが様子がおかしい。まるで東京の焼増しを見ているようだ。横にいるたっくす選手が試合の合間に声をかけるが、沈んだままのあーぼー選手の気持ちが切り替えられていない。その硬さがチーム全体に伝播してしまっている。TAそしてベスト8での勢いが全く見られない。
酷な事に、試合はさらに獣神亭に追い討ちをかける。2手目のモーツァルトがモンタナを右にズラしてしまう。第1試合がそうであったように、ここを4手目で突破しても十分に戦えるタイムは出せるのだが、ここから想定以上に突破に時間がかかってしまう。
※決してありえない一手ではないし、まだまだ立て直しは可能。しかし今の獣神亭には重くのしかかる。
4Sleepersは1戦目の勢いそのままに、順調にバトルを突破していく。バトル5を自己ベストで突破した4Sleepersは1バトル分のリードを生かし、落ち着いて雑魚処理を行っていく。ここで14手目、くま選手絶好の弱点マッチチャンスが訪れる。マッチを狙うか、まだ処理できていないぷよりんを倒しにいくか。ここで欲のでた4Sleepersはマッチを選択。しかし見事に弾かれてしまう。そこからボス処理に手間取り最後は18手フィニッシュ。肝を冷やす勝利となった。
初勝利同士の対決は2:0でチーム力を生かした4Sleepersに軍配が上がった。
ファイナルはチーム初優勝を狙うアラブルズと幕張での雪辱を晴らしたい4Sleepersの対決。ツアー折り返しの天王山を制するのはどちらのチームか
以上、大阪セミファイナルでした。
この記事を読んで、新たな発見をしていただけたら嬉しいです。
それでは次回大阪会場「ファイナル」でお会いしましょう
隹ナムでした